楽天とSBIってどっちがいいの?とお悩みですか?この記事では、つみたてNISAの取扱い商品数やサービス内容、開設口座数で双璧をなしている楽天証券とSBI証券の違いを徹底比較します。
今までは、圧倒的な購入ポイント還元率の高さで、ほぼ楽天証券の一人勝ちが続いていましたが、2021年12月に楽天が本当にこっそりと、ネガティブサプライズなルール改定を発表。2022年4月から、楽天証券ではほとんど保有ポイントがもらえないに等しい状態になってしまいます。
さらに、2022年9月からは購入ポイントの還元率が引き下げられることまで追加発表され、楽天証券の改悪が止まりません。その結果、今後は楽天とSBIのどちらを選ぶべきなのか?では早速結論から参りましょう。
・総獲得ポイントの多さで選ぶなら、つみたてNISAはSBI証券で運用するのがベスト。
すぐに核心に迫りたい方は「楽天証券 vs SBI証券徹底比較」にジャンプしてください。
それ以外の会社も含めて検討したい方は、取扱い商品数上位の会社紹介も織り交ぜながら、つみたてNISAの運用におすすめの証券会社について詳しく比較・解説していきますので、ご参考になさってください。
つみたてNISAの取扱い商品数ランキング
つみたてNISAの口座は、総合口座と違って複数の金融機関で開設できません。1つの金融機関でしか開設できませんので、どの金融機関で口座を開設するかは非常に重要な選択です。
※1年ごとに金融機関変更は可能ですが、変更には時間と手間がかかります。また、過去に購入した分については、金融機関は変更できませんので注意してください。
つみたてNISAは、どの金融機関でも購入手数料無料の商品だけしか購入できず、どの金融機関で運用しても運用手数料は同じなので、金融機関を選ぶ重要なファクターは「取扱い商品数」と「ポイント還元率」です。
中には、「対面で相談できるかどうか」が最重要という方もいらっしゃるでしょう。対面で相談したい方は、近所だったり、お付き合いがあって相性の良い担当者がいる銀行等の金融機関を選べばOK。
ただし、対面で相談できる「店舗型の証券会社」や「銀行」は、非常に取扱い本数が少なく、取扱い商品数が数十本以下しかありませんので、希望にピッタリ合う商品を購入できない可能性があることを覚悟しておく必要があります。
ではまず、取扱い商品数が多い金融機関ランキングをご覧ください。
取扱い商品数が多い金融機関
金融機関名 | 取扱い商品数 | |
---|---|---|
1位 | 楽天証券 | 179本 |
2位 | SBI証券 | 176本 |
3位 | 松井証券 | 172本 |
4位 | auカブコム証券 | 161本 |
5位 | SMBC日興証券 | 158本 |
6位 | マネックス証券 | 152本 |
7位 | フィデリティ証券 | 41本 |
8位 | 静岡銀行 | 28本 |
9位 | 大和証券 | 22本 |
10位 | イオン銀行 | 20本 |
10位 | エイチ・エス証券 | 20本 |
※2021年12月現在
11位以下の主な金融機関
- 岡三証券 15本
- 三菱UFJ銀行 12本
- ゆうちょ銀行 12本
- 野村証券 7本
- みずほ銀行 5本
- りそな銀行 4本
- 三井住友銀行 3本
おすすめはネット証券会社
上位と下位では、驚くほど数が違うのがお分かりいただけると思います。基本的にネット専業の証券会社は取扱い本数が多く、店舗型の金融機関は本数が少なくなっています。
特に、三菱UFJ銀行やゆうちょ銀行など、大手都市銀行や地方銀行では、12本以下という驚異的に少ない数しか取り扱っていません。つみたてNISAは金融機関に入る手数料が安いため、人件費が高い店舗型の金融機関では、本腰を入れて取り扱うメリットがないからです。
商品数が少なければ少ないほど、自分の運用方針に合った商品を選べる余地、理想のポートフォリオを組める可能性が低くなりますので、なるべく取扱い商品数が多い金融機関を選ぶのがおすすすめ。
また、つみたてNISAを始めると、後から色々変更したくなったり、ETFやNISA以外の投資信託等もやってみたくなるものです。そのため、スマホやPCで簡単に決済方法、投資金額、購入日の変更ができ、つみたてNISA以外の投資信託や、ETF・株への投資もすぐに始められる「ネット証券会社」で口座開設するのがベストです。
つみたてNISAでおすすめの証券会社は?
では、ネット証券会社の中で、どこがおすすめなのか?取扱い商品数が多い証券会社のサービス内容を比較してみましょう。
口座開設数(*1) | 624万 | 771万 | 136万 | 133万 | 370万 | 197万 |
---|---|---|---|---|---|---|
購入手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
取扱商品数(*2) | 179本 | 176本 | 172本 | 161本 | 158本 | 152本 |
利用可能 カード |
楽天カード | 三井住友 カード |
× | × | × | マネックス カード(*3) |
購入ポイント | 0.2~0.5%(*3) | 0.5~2% | × | × | 0.03% | 1.1% |
保有ポイント | ほぼ無し | 0.0242%~0.05% | × | 0.005% | × | 0.03% |
最低金額 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 1,000円 | 100円 |
積立頻度 | 毎日・毎月 | 毎日・毎週・ 毎月・複数日 |
毎月 | 毎月 | 毎月 | 毎日・毎月 |
(*1) 2021年9月時点の総合口座開設数、楽天のみ21年6月時点
(*2) 2021年11月時点
(*3) 2022年9月から引き下げ
日本の証券会社で最も総合口座数が多いのはSBI証券、2番目が楽天証券です。しかし、つみたてNISAに限っては、楽天証券の口座数が最も多く、2番目がSBI証券という状況で、この2社がツートップ状態でデッドヒートを繰り広げています。
取扱い本数は楽天が最多、SBIが僅差の二番手で、商品数でもツートップが業界最多の座を競っています。
取扱い商品数の多さと、ポイント還元率やサービスの充実度で総合的に判断すると、SBI証券を選ぶのがおすすめです。2022年2月に、楽天証券から衝撃の改悪情報が発表されるまでは、楽天とSBIの二択で迷うところだったのですが、楽天はポイント還元システム改悪により一気に魅力度が低下してしまいました。
この記事では、楽天とSBIの違いについて重点的に解説しますが、一応参考までに松井証券、auカブコム証券、SMBC日興証券、マネックス証券の4社も比較対象として簡単にご紹介します。
ネット証券会社TOP6のつみたてNISA内容比較
では、取扱い商品数が多い証券会社6社のつみたてNISA口座の特徴とサービス内容を詳しく見て、比較していきましょう。まずはツートップの楽天証券とSBI証券から。
購入手数料 | 無料 | 無料 |
---|---|---|
取扱い商品数 | 176本 | 179本 |
購入ポイント | 0.5%(*2) | 0.2~0.5%(*1) |
保有ポイント | 0.0242%~0.05%(*3) | ほぼ0(*3) |
利用可能カード | 三井住友カード | 楽天カード |
還元ポイント | ・購入分はVポイント ・保有分はTポイント or Pontaポイント |
楽天ポイント |
最低購入金額 | 100円 | 100円 |
積立頻度 | 毎日・毎週・毎月・複数日・隔月 | 毎日・毎月 |
カード決済額 変更締め切り |
毎月10日 | 毎月12日 |
カード購入 注文日 |
毎月1日 | 毎月8日(*4) |
カード決済日 | 26日 | 27日 |
(*1) 2022年9月以降、楽天カードなら0.2%、楽天キャッシュなら0.5%
(*2) 年会費無料の三井住友カードの還元率は0.5%。三井住友カードゴールド、プラチナ等、年会費が必要な上位カードの場合は、1~2%の還元が受けられます。
(*3) 2022年4月1日以降は、ほぼポイントは付与されなくなります。
(*4) つみたてNISA対象の主な低コストファンドの場合
(*5) 2021年6月19日以前にカード決済による積立をした方は毎月1日
No.01 SBI証券
サービス概要
ネット証券会社の中で、口座開設数No.1の最大手。積立カード決済の対応とポイント還元施策が遅れた影響で、つみたてNISAの口座数では楽天証券の後塵を拝していますが、つみたてNISAで選べる投資信託の本数は176本で、楽天証券にわずかに及ばないものの業界最多級です。
2021年6月から、待望のカード決済とポイント還元が始まったのに加え、2022年9月からは楽天のルールが改悪される結果、購入ポイントの還元率が楽天と同等以上になります。
保有ポイントの還元率は、楽天証券のルール改悪によって完全に業界最高水準となりました。楽天がルールを改定する2022年4月以降は、保有ポイント還元率では、楽天を大きく引き離すことになります。
2022年9月以降は、購入と保有、両方のポイント還元率が楽天より良くなるため、今後はSBIが名実ともに人気No.1のネット証券会社の地位を確立していくのではないでしょうか。楽天のようにルールを改悪しなければですが。
尚、購入で獲得したVポイントは決済額に充当できますが、保有ポイント(Tポイント、Pontaポイント)を積み立て金額に充当することはできません。購入ポイントと保有ポイントが別々のため、楽天証券に比べてわかりにくいのがちょっと気になりますが、慣れれば支障はありません。
更に、購入ポイントは自動的に取得できますが、保有ポイントは「メインポイントを選ぶ」という設定をしないと還元されませんので注意してください。私はこの設定を忘れて、3か月分のポイントをもらい損ねました(汗)。
システム面で特筆すべきは、購入日設定のバリエーションの多さです。カード決済の場合は「月1回」しか選べませんが、現金決済の場合は、「毎月」「毎日」「毎週」「複数日」「隔月」から選べて、自由自在に購入日を設定できます。これは購入日にこだわりたい方には本当に便利です。私も特定口座の銘柄で活用しています。
おすすめポイント
- ネット証券会社の中で、総合口座開設数が最多。
- つみたてNISAの取扱い商品数が、楽天に次いで業界最多級。(2021年12月時点)
- 三井住友カードでクレジット決済すれば、毎月の積立額の0.5%が「Vポイント」として付与される。
- 購入日設定のバリエーションが多いので、きめ細かくタイミング分散投資をしたい方には非常に便利。※ただし、カード決済の場合は、「毎月1日」以外は選択不可。
- 積立代金の引き落としは、SBI証券の口座、住信SBIネット銀行、その他金融機関、「三井住友カード」から選択できる。
No.02 楽天証券
サービス概要
楽天証券のつみたてNISAは約178万口座(2021年10月末時点)で、つみたてNISA口座数全体の3割を超えるトップシェアを誇ります。証券会社の総合口座数ではトップのSBI証券より少ない二番手ですが、NISA口座数は、SBI証券を上回るNo.1です。
しかし、2021年12月に保有ポイント還元率の引き下げ、2022年2月に購入ポイント還元率の引き下げと、立て続けに衝撃の改悪情報が発表され、一気に魅力度が低下してしまいました。
今まではSBI証券とほぼ変わらない料率で、保有額に応じたポイントをもらえましたが、2022年4月からルールが改定され、保有ポイントがほとんどもらえなくなってしまいます。
更に、2022年8月までは、楽天カードで積立決済すると「決済額100円につき1ポイント」が貰え、積立決済に使える年会費無料カードの中では、業界最高の還元率だったのが、9月から0.2%に引き下げられます。楽天キャッシュで決済すれば0.5%還元されますが、それでもやっとSBIと同じになるだけです。
2022年3月までは最強の証券会社だと言えたのですが、これでは一気に顧客離れが進むかもしれません。
保有ポイント還元ルールの改悪によって魅力が下がってしまった楽天証券ですが、普段の買い物で貯めた楽天ポイントを積立額の決済に使えたり、積み立てで貯めたポイントを普段の買い物や飲食店での支払いに使えたりするので、ポイントの使い勝手の良さだけは楽天証券の魅力です。
おすすめポイント
- つみたてNISA口座数全体の3割以上のトップシェアを誇る人気証券会社。
- つみたてNISAの取扱い商品数が最多。(2021年12月時点)
- 積立額を楽天カードで決済すれば0.2%、楽天キャッシュで決済なら0.5%のポイントが付与される(2022年9月以降)。
- 積立代金を「楽天ポイント」で支払うこともできる。積み立てで獲得したポイントや、楽天市場等で獲得したポイントも利用可能。
- カード決済の場合は月1回(日にち選択不可)、口座引き落としの場合は月1回(好きな日を選択可)又は毎日購入のどちらかを選択できる。
- 積立代金の引き落としは、楽天証券の口座、楽天銀行、その他金融機関、「楽天カード」から選択できる。
No.03 松井証券
1918年に創業された老舗で、日本で初めてネット証券業界に参入した証券会社です。株主優待名人の桐谷さんが利用していることで有名ですね。
普段のお買い物で「MATSUI SECURTIES CARD」で決済した金額の0.5%が松井証券ポイントとして還元され、ポイントは積立金額に充当できます。ちょっとややこしいのですが、積み立て金額をカード決済することはできませんのでご注意ください。
取扱い本数は3番目に多いですが、購入ポイントも保有ポイントもなく、特筆すべきメリットはありません。NISAとは関係ありませんが、株式先物・オプションの損益シミレーションツールは非常に便利です。オプション取引に興味がある方は検討する価値があるかもしれません。
購入手数料 | 無料 |
---|---|
取扱い商品数 | 172本 |
購入ポイント | × |
利用可能カード | × |
保有ポイント | × |
最低購入金額 | 100円 |
積立頻度 | 毎月 |
No.04 auカブコム証券
取扱い本数は4番目に多いですが、カード決済はできず、つみたてNISAの対象銘柄の保有ポイント還元率は年率0.005%と非常に低いため、魅力に欠けます。Pontaポイントを購入に利用できるので、普段ローソン等でPontaポイントを多く獲得している方なら多少メリットがあるかもしれません。
また、NISA口座を開設している人は、現物株式のワンショット手数料および、現物株式・信用取引共通の1日定額手数料が最大5%割引になるので、NISA以外で、株やETFに1日100万円以上のまとまった投資をしたい方にはメリットがあります。(1日100万円までなら無料なので関係無し)
購入手数料 | 無料 |
---|---|
取扱い商品数 | 161本 |
購入ポイント | × |
利用可能カード | × |
保有ポイント | 0.005% |
還元ポイント | Pontaポイント |
最低購入金額 | 100円 |
積立頻度 | 毎月 |
No.05 SMBC日興証券
カード決済はできませんが、毎月の積立額に応じて、わずかながらdポイントが付与されます。ドコモユーザーなど、普段からdポイントを使っている方にはいいかもしれませんが、還元率が非常に低いのと、最低月積立額が1,000円以上、1,000円単位なのがネック。
例えば100円、200円といった1,000円以下の少額や、15,300円といった中途半端な金額では積み立てができません。またこのシステムによって、つみたてNISAの購入上限額が月33,000円(年396,000円)になってしまうため、非課税投資枠(年40万円)を使い切ることができないのが致命的なデメリットです。
購入手数料 | 無料 |
---|---|
取扱い商品数 | 158本 |
購入ポイント | 0.03%(*1) |
利用可能カード | × |
保有ポイント | × |
還元ポイント | dポイント |
最低購入金額 | 1,000円 |
積立頻度 | 毎月 |
(*1) 月の積立金額が1万円未満は3p、1万円以上は1万円ごとに3p。
No.06 マネックス証券
取扱い本数の多さは業界6位で、5位のSMBC日興証券より少ないですが、2022年2月からカード決済が可能になり、購入ポイントの還元率が業界最高の1.1%なのが大きな魅力です。
ただし、保有ポイントは大半のNISA対象銘柄が年率0.03%のため、SBIと比べると少し見劣りしますが、購入ポイントの還元率がSBIより全然高いので、商品数が少ないことが気にならない方にはおすすめです。
購入手数料 | 無料 |
---|---|
取扱い商品数 | 152本 |
購入ポイント | 1.1% |
利用可能カード | マネックスカード |
保有ポイント | 0.03% |
還元ポイント | マネックスポイント |
最低購入金額 | 100円 |
積立頻度 | 毎日・毎月 |
ではここから、項目ごとに各社を深掘り比較していきます。
積み立て金額に応じてもらえるポイント比較
積立金額のカード決済でポイントがもらえるのは、楽天、SBI、マネックスの3社です。
今までは楽天が購入ポイントの還元率が一番高かったため、つみたてNISAの口座数は、楽天証券が業界最大手のSBI証券を上回り、業界最多のシェアを獲得しています(2021年12月現在)。
しかし、2021年9月からSBI証券がカード決済によるポイント還元をスタートさせたのに加え、2022年2月に、楽天が購入ポイント還元率の大幅引き下げを発表。更に、最後発のマネックス証券が最高還元率1.1%を設定してきたことで、今後の勢力図は変わる可能性があります。
※SMBC日興証券は購入額に応じてポイントがもらえますが、カード決済ができず、還元率が一番低いため比較対象から除外しました。
SBI証券
利用カード | 三井住友カード |
---|---|
年会費 | ・三井住友カード:無料 ・三井住友カードゴールド:5,500円 ・三井住友カードプラチナプリファード:33,000円 |
還元率 | ・三井住友カード:0.5%(200円ごとに1ポイント) ・三井住友カードゴールド:1% ・三井住友カードプラチナプリファード:2% |
ポイント | Vポイント(※支払い金額に充当可/それ以外はあまり使い道なし) |
楽天証券
利用カード | 楽天カード |
---|---|
年会費 | 無料 |
還元率 | 0.2~0.5%(2022年9月以降。楽天カード決済なら0.2%、楽天キャッシュ決済なら0.5%。) |
ポイント | 楽天ポイント(※楽天市場や多数の小売店、飲食店で利用可/積立額にも充当可) |
マネックス証券
利用カード | マネックスカード |
---|---|
年会費 | 初年度の年会費は無料。次年度以降の年会費550円(税込)は、1年間で1回以上のクレジットカードの利用で無料。 |
還元率 | 1.1% |
ポイント | マネックスポイント (※dポイント、Tポイント、Pontaポイントに交換可) |
保有額に応じてもらえるポイント比較
つみたてNISAで保有している投資信託の合計額に応じて、ポイントがもらえる証券会社の比較です。保有ポイントの還元率は、SBI証券が業界最高水準です。
2022年3月までは、楽天証券もSBIより少し少ないぐらいの保有ポイントをもらえたのですが、2022年4月からルールが改定され、なんと、保有ポイントはほとんどもらえなくなってしまいます。
また、つみたてNISA以外の銘柄では、SBI証券なら最大0.2%のポイントを獲得できる場合がありますので、投資信託を保有するならSBI証券がおすすめです。
SBI証券
投資信託の月間平均保有残高に応じてTポイント又はPontaポイントがもらえます。つみたてNISA銘柄の還元率は、ほぼ年率0.022%~0.05%ですが、つみたてNISA対象外の銘柄なら最大0.1%、保有総額が1,000万以上なら、最大0.2%のポイントが付与されます。
楽天証券
2022年4月から、ポイント付与のルールが改定されます。月末時点の残高が、規定金額に「初めて到達した時」1回だけ、各ポイントがもらえます。つまり、0円から積み立てを開始して、仮に保有額が1,000万円に到達しても、もらえるポイントは全部でたったの1,090ポイント、たとえ2000万円に到達しても、全部で2,090ポイントだけです。
SBI証券で年40万円×21年=840万円積み立てた場合、仮に保有額が全く増えなかった場合で計算しても、もらえるポイントは3~4万になりますので、保有ポイントの還元率では、楽天はSBIを大きく下回ることになります。
定義 | 獲得ポイント数 |
---|---|
10万円に到達した場合 | 10 |
30万円に到達した場合 | 30 |
50万円に到達した場合 | 50 |
100万円に到達した場合 | 100 |
200万円に到達した場合 | 100 |
300万円に到達した場合 | 100 |
400万円に到達した場合 | 100 |
500万円に到達した場合 | 100 |
1000万円に到達した場合 | 500 |
1500万円に到達した場合 | 500 |
2000万円に到達した場合 | 500 |
マネックス証券
投資信託の月間平均保有残高に応じてマネックスポイントがもらえます。つみたてNISA銘柄の還元率は、ほぼ年率0.03%です。ポイントはdポイント、amazonギフト券、Tポイント、Pontaポイント、nanacoなど、他のポイントサービスに交換することが可能です。
auカブコム証券
投資信託の月間平均保有残高に応じてPontaポイントがもらえます。つみたてNISA銘柄の還元率は、ほぼ年率0.005%です。
各社比較
サービス名 | 投信マイレージ | ハッピー プログラム |
マネックス ポイント |
資産形成 プログラム |
---|---|---|---|---|
獲得ポイント | Tポイント or Pontaポイント |
楽天ポイント | マネックス ポイント |
Ponta ポイント |
ポイント 還元率(年率) |
0.022%~0.05% | ほぼ無し | 0.03% | 0.005% |
年還元額 目安(*1) |
220~500円 | ほぼ無し | 300円 | 50円 |
(*1) 毎月100万円を1年間保有していた場合
楽天証券 vs SBI証券徹底比較
ではここからは、業界ツートップの2社に絞って徹底比較していきます。
ポイント還元率
楽天とSBIの一番大きな違いは、ポイント還元率です。還元されるポイントには購入と保有の2種類があり、従来は比較が複雑だったのですが、楽天証券が立て続けにシステムの改悪を発表したことで、比較は簡単になりました。
購入ポイントはどちらも変わらず、保有ポイントはSBIの方が多いため、両方合わせると、還元されるポイント数が多いのはSBI証券です。
つみたてNISAで人気の銘柄を購入、保有した場合の獲得ポイントを比較してみましょう。計算をシンプルにするため、運用益で保有額が増える分と、引かれる運用コストは無視して単純計算しています。
「eMAXIS Slim 全世界株式」を年40万円(月約3.3万円)ずつ購入した場合
SBIの方が2042年までの21年で、40,203p多く獲得できる。
購入P | 0.5% | 0.5% |
---|---|---|
保有P | 全部で590p | 0.0462% |
年数 | 最終保有額 | 差 | ||
---|---|---|---|---|
1年 | 40万円 | 2,000p | 2,095p | 95p |
10年 | 400万円 | 20,490p | 29,262p | 8,772p |
21年 | 840万円 | 42,590p | 82,793p | 40,203p |
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を年40万円(月約3.3万円)ずつ購入した場合
SBIの方が2042年までの21年で、32,406p多く獲得できる。
購入P | 0.5% | 0.5% |
---|---|---|
保有P | 全部で590p | 0.0374% |
年数 | 最終保有額 | 差 | ||
---|---|---|---|---|
1年 | 40万円 | 2,000p | 2,077p | 77p |
10年 | 400万円 | 20,490p | 27,482p | 6,992p |
21年 | 840万円 | 42,590p | 74,996p | 32,406p |
新規積み立て終了の2042年以降どうなる?
つみたてNISAは2042年までしか新規の積み立てをすることができません。2043年からは、つみたてNISAについては購入ポイントがもらえませんので、楽天証券だと1年間でもらえるポイントはほぼ0になり、SBIの場合は毎年保有ポイントをもらえることになります。
積立終了後、SBI証券だけで毎年獲得できる保有ポイント(楽天はほぼ0)
eMAXIS Slim 全世界株式 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | |
年間獲得保有ポイント | 3,881p | 3,142p |
※保有額が840万円の場合
積み立て終了後は、SBIの方が、1年ごとに3000~4000ポイント多く獲得できる。
取扱い商品
楽天のSBIは取扱い商品数はほぼ同じで、商品ラインナップもほぼ同じですが、SBIでは、楽天で購入できない人気銘柄「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」を購入できます。これが一番大きな違いです。
発売直後にも関わらず、2021年11月のSBI証券内の投資信託人気ランキングで、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は1位、「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」は5位にランクインしており、既にかなりの人気商品になっています。
「SBI・Vシリーズ」は2021年8月からスタートした新ファンドですので、まだ中長期のリターン実績が不明で、他のファンドと比較ができませんが、仮に類似ファンドとほぼ同じリターンが期待できるなら、信託報酬が低いのは魅力ですよね。
特に、「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」は、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」と同類の商品ですが、信託報酬は圧倒的にSBIの方が低くなっています。この銘柄に投資したい方は、SBI証券を選んだ方がいいことになります。
ファンド名 | 信託報酬 | SBI証券 | 楽天証券 |
---|---|---|---|
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 0.0938% | 〇 | × |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.0968% | 〇 | 〇 |
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | 0.0938% | 〇 | × |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 0.162% | 〇 | 〇 |
補足情報(2021年12月時点)
- 「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」はauカブコム証券、マネックス証券でも購入可能
- SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」はSBI証券のみで購入可能
使い勝手
【楽天証券の管理画面】
【SBI証券の管理画面】
楽天、SBIのどちらも、銘柄選択や投資金額の設定・変更などが簡単にできて非常に使いやすく、パソコンでもスマホでも、使い勝手に特に差はありません。ちなみに私はどちらの証券会社も利用していて、つみたてNISAは楽天、特定口座の投資信託はSBIで運用しています。
強いて違いを言えば、楽天証券の方が、最新の基準価額が反映されるタイミングが早く、22時頃には反映されているのに対し、SBI証券は少し遅くて、翌朝にならないと最新情報が反映されません。
一刻も早く最新のリターン状況を知りたい、という方は楽天証券の方がおすすめです。
銘柄検索システム
どちらも充実していて、アセットクラスや投資地域等、様々な条件で検索して、リターンや信託報酬の高い・低い順に並べ替えもできます。
SBI証券の方が、信託報酬や純資産額など、より細かい条件で検索することができますが、どちらの証券会社の銘柄検索も、口座を持っていなくても利用可能ですので、参考情報として掲載しておきます。
投信スーパーサーチ | 投資信託 パワーサーチ |
まとめ
・取扱い商品数や使い勝手はどちらもほぼ変わらない。
・還元ポイント獲得数の多さで選ぶなら、SBI証券での運用がベスト。
いかがだったでしょうか。2021年までは楽天の方が魅力的だったのですが、相次ぐシステム改悪により、一気に魅力度が低下した結果、SBIの方がサービスが充実している状況に逆転しました。楽天は、ユーザー離れを覚悟してのシステム変更でしょうから、利益率改善のためのとはいえ、ずいぶん思い切った策を打ってきたなという印象です。
今後、SBIがシステムを改悪しない限りは、SBI優位の状態が続くことになりますので、恐らく業界の勢力図に変化が出てくると思われます。今後、新たに口座を開設される方は、SBI証券をおすすめします。